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Cookbook

子供の頃は朝起きると楽しくてたまらなかった。
喜びがあり、興奮と期待感が甘いクリームのようにたっぷりとかかっていた。
一日は大きなケーキみたいで、食べ終えると次の日もまた次の日もそれが用意してあるのだった。

いやな朝もあった。
そういうとき、目を覚ます前から私は何かを思いだしていた。
記憶はくすぶり始めて、ぼんやりした狼煙のように薄い煙をたなびかせた。
その考えが空気を満たし、私は子供の形をした曇り空になってしまう。
知らない土地に旅をするような気分で、しかし歩くごとに自分の足が強くなる事もわかるのだった。

このごろ、朝起きて楽しいということはない。
しかも、歩くごとに足は衰えていく。
じっと煙のそばに立っている日も多くなった。
あの大きなケーキを思いだすけれど、考えるのはレシピのことだ。
その秘密の材料のことだ。

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| いろいろ | 11:12 | comments(0) | trackbacks(0) | TOP↑

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木陰

公園の中を歩いていると、とても美しい場所が向こうに見えた。
広々とした芝生の一角に針葉樹を含む樹々が植えられており、瑞々しい葉をつけた枝が地面近くまで垂れ下がって、程よい明るさを持つ木陰ができているのだった。

そこに入ってみたいと思って足を向けると、樹林の入り口にある枝にベロンとカラスが止まった。カラスは明確にこちらを見ており、ボリュームを抑えたしわがれ声で3べん鳴いた。
そして落ち着かなげにモソモソしている。

私の中にとても小さな、しかし赤い色をした「!」が点灯した。
だがなぜか私はそれを無視して、カラスの横を通ると奥へ入ってしまった。
木漏れ日の下をゆっくりと歩いて景色をながめたが、長居できないような気がする。
振り返るとカラスは同じ枝の上から私を見ていた。
もう一度そいつの脇を通らないといけないのだ。
背後で、私の歩みに合わせて移動する翼の音が聞こえた。

元の道に戻ってみると看板が出ていた。
「この辺ではカラスに襲われる事があります」
そこに添えられたカラスのイラストは、何者かによって頭の部分が焼かれていた。絵の下にはカラスの巣を見つめたりしないようにといった注意書きが並べてある。
顔を上げてみると、先のカラスは何処にもいなかった。

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独立宣言後の世界

独立宣言後

私はいつも何かを考えているが、考えることは自分の輪郭をくっきりさせる効果がある。

朝眼を覚ますとすぐに考え始める。
その途端「私」と貼られた人形(ひとがた)が現れる。
世界は内と外に分かれ、内側ではあらゆることが始まる。

固有の領土、固有の意識、個人、個性。
国境を描き続け、自分以外が他者であると宣言する。
その前提で、他の国家と外交関係が結ばれる。
ウィッシュリストを交換し、条約を結ぶのであります。

身体の中に「私」はいない。
ただ混沌と考えがわき出しているだけだ。
なんだか不気味だ。そこには誰もいない。

| いろいろ | 22:40 | comments(0) | trackbacks(0) | TOP↑

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魔法の指

園芸が不得意

私は植物をうまく育てたことがない。
去年貰ったペチュニアの種が出てきたのでまいてみたところ、待てど暮らせど一向に芽吹かないのであります。それはモスバーガーで「モスの日」に配布されたもので、ヤシか何か植物性の剛毛で編まれた植木鉢に、土までセットされているという栽培キットなのでした。

植木鉢がむなしいので、次にグレープフルーツの種を埋めてみました。
レモンの種も埋めました。
しかし、音沙汰がないのであります。

去年のペチュニアは種が古くなっていたからとか、船便で届く外国産の果実には発芽防止の工夫がなされているからとか、芽が出ない理由を考えてみても何だか納得がいきません。

花も素早く枯れるのであります。
私は時折切り花を求めてきて、花瓶に入れておくのですが、いやに速く枯れる気がします。 朝は元気だったガーベラが帰宅してみると悉くぐなーんと項垂れていて、花弁がすぼまって箒のようになっているのを発見すると本当に萎えます。まだ3日と経たないのに、悪霊でもいるのでしょうか。あっ、いるな。いるよ。私でございます。

ガーベラを水に浸して茎を切り、放ってみると、睡蓮のように花がプカッと浮いて張りを失った花弁が広がり、見た目上は満開になったのでした。

| いろいろ | 22:24 | comments(5) | trackbacks(0) | TOP↑

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