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尻尾

本日、出かけた先で小鳥店に入った。鳥を飼うことを考えている客ででもあるかのように鳥カゴを覗き、その実セキセイインコの羽毛がウロコのようにささくれている様子を丹念に眺める私の目は、まさに変態のものである。インコはすばしこく止まり木を飛び交い、口元のヒゲをせわしなくふるわせて小川のような音を出す。店の中は飛行する生き物を保持しておくための設備で満ちている。入れ子構造になった夢から覚められない時のように、次も、その次も、セキセイインコのカゴが並んでいる。

左手でフレミングの法則を形作りながら人差し指を店主に向け、「お、おい!インコにさわらせろ!」と叫べばたちまちある種の強盗として私は取り押さえられるだろう。店主は先ほど来、旧式のレジスターの後ろ、いやに素っ気ない気配でトカゲのように背景と同化している。そのくせ、こちらへの注意は怠ることが無い。彼は承知している。私が何をしにきたのかも。

モチのように丸々とふくらんだセキセイインコの尻から、そこだけ細いままの尾がカゴの外にはみ出ている。これが今日の試練だ。いかにも隙ありげに揺れている長い尾に、あるいは簡単に触れるのかもしれない。だが、あれに手を出した瞬間店のおやじは別人のように立ち上がって「失格!」と告げるだろう。

そうしたら、元の真闇に逆戻りだ。湿った土を掻きながら咳き込んで目覚める全裸の場面からやり直しだ。

我々は楽園の蛇で、あらゆるものに触れてはならないという特権の他は、しかしすべて奪われてしまっている。

| インコ神楽 | 03:27 | comments(0) | trackbacks(0) | TOP↑

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