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聖なるポップカルチャー(3)

クリスチャン漫画の続きであります。
一回目には70年代のクリスチャン伝記漫画、二回目は70年代から活動するハード宣教漫画のパイオニアのことを書きました。そして今回でこの話題は一区切り。前回取り上げたジャック・T・チック先生の後継者とも言える、現代のアツいクリスチャン漫画をのぞいてみたく思います。

■現代のクリスチャン漫画

The Truth For Youth

私がネット上のアツいクリスチャン漫画を訪ねて歩くきっかけになったところ、最初に迷い込んだサイトがこちらです。上記が漫画の目次ページ。サイトの運営者はティム・トッド・ミニストリーズといい、宣教師のティム・トッドが率いる伝道団体です。宗教が排除された教育現場の状況(1963年以来、米国のパブリックスクールで聖書を読んだりお祈りしたりすることは違憲とされている)を憂えるティムは"Bibles not Bullets"(銃弾ではなく聖書を)というキャンペーンをスタート、聖書の配布自体を禁ずる法律はないという抜け穴を利用して、漫画つきの新約聖書を学生に配っています。これによって乱射事件などの非行も防げるのではと期待しているのです。

70年代のSpireコミックスには共産圏に聖書を「密輸」する人物の伝記があったけど、現代におけるこのキャンペーンはいみじくも「米国の学校へ合法的に聖書を密輸」しようと訴えているわけですよ。サイトにある漫画は同団体の聖書に添付されている作品と思われ、身近な問題の聖書的な解決法を提示する内容です。掲載されているのは8本で、最後の一編をのぞいては一話6ページの読み切り短編であります。ざっとこんな感じですよ。

"Parental Controls" (pornography)
インターネットのポルノや出会い系サイトの害を描く。PCのペアレンタルコントロールにからめて、聖書は様々な問題の回避に役立つ父なる神の「ペアレンタルコントロール」だと述べている。
"Born That Way" (homosexuality)
「生まれつきのゲイ」説はウソで、人は変われると説く作品。ゲイのデモ隊vsスキンヘッドの衝突現場に行き会わせた三人兄弟と年長の従姉(たぶん)。ゲイ嫌いな長兄と擁護者の妹は言い争いとなり、末弟は突如自分がゲイだとカミングアウトする。デモは暴動化、混乱の中で兄はケガを負う。居合わせた救急隊員は自分が元ゲイであると告白し、神の助力で変わることができたと熱く語った。怪作。
"Passes And Plays" (safe sex)
アンチセックス&アンチコンドーム作品。フットボール部のスター選手に誘われて舞い上がるチアリーダーの少女を、クリスチャンの友人たちがいさめる。神は結婚するまでセックスを慎むよう、次にその結婚を完遂するよう望んでおられる。それが唯一有効な本当のセーフ・セックスだ!「わかったわよ、私は間違ってたって。でも遅すぎたわ。私もうやりまくっちゃったんだもの!」「遅くはないさ!神はまたチャンスを与えて下さる!!」
"Castaways" (abortion)
プロムの船が難破し、ローザ&ジャックのカップルと、中絶クリニックの医師だったローザの父ら3人が無人島に流れ着いた。すごい非日常の舞台で語られる中絶反対ストーリー。
"Wasted Words" (rock music)
マリリン・マンソンみたいなバンドを聞かないようにしようということ。でもマンソンのためにも祈りましょう。怪作。
"Bibles not Bullets" (school violence)
米国の学校を襲う暴力に立ち向かうため、教師の妨害に遭いながらも聖書配布運動を行う生徒たち。"Bibles not Bullets"キャンペーンを描いた作品。
"Somebody's Making A Monkey Out Of You!" (evolution)
「進化(論)は基本的にレイシストのコンセプトだって知らなかったの?」創造論(聖書の『創世記』を歴史上の事実とする考え方)のすすめ。
"Case Dismissed" (drugs/drunkenness/peer pressure)
宣教師ティム・トッドの半生を描いた12ページ作品。宣教師の子に生まれながらもドラッグと酒に溺れ、ドラッグを巡るトラブルから事件を起こして逮捕されるという大あばれの青春。3回死にかけ、幻覚の中で地獄を見たという。終盤、急にリアルな似顔絵でご本人が登場するのがつらい。

というところでして、これまたかなりアツい世界なのです。Spireコミックスやチック・トラクトと比べるとずっと現代的な画風(『ジャパニーズスタイル』だとどっかで評されてました)の作品群でありますが、惜しむらくは舞台設定や物語の展開が強引というか、不自然なんです。テーマの方はチック・トラクトとさほど変わらないかも。ただし、こちらの方が敵側の登場人物をいくぶんソフトに描いており、必ず希望を含んだエンディングになっています。チック・トラクトの漫画では主人公が地獄に投げ込まれて終わり、というのも珍しくないですもんね。

さて3回に渡って「アツい」クリスチャンの奇妙な漫画を見てまいりました。これら3種の漫画は思想上の共通点がある感じです。ブッシュ政権関連のニュースで時におどろおどろしく語られる「宗教右派」の文化なのでありましょうが、私としてはこうした最右翼のポップカルチャーに触れられたのはおもしろい経験だったという他に言うこともないのであります。

最後に、今回取り上げなかったカトリックの漫画世界を紹介するテレグラフ紙の記事を、チキッとつまんで引用しつつ終わりたく思います。

■聖なるコミックス!聖人は最新のスーパーヒーロー

風になびく栗色の髪と波打つ筋肉を持ち、「無眼に続くパーティ」を愛する角張ったアゴの男が最新刊コミックの表紙からこちらを見つめている。彼はスーパーマンでも伝統的スーパーヒーローの誰かでもない。ローマ・カトリックにおける動物と環境の守護聖人になった、13世紀の敬虔な僧・アッシジの聖フランチェスコだ。これがコミックスタイルの聖人というわけなのだ。

聖人たちの生涯が、カトリック教会へ若者を惹き付けたいと望む出版社のコミックスに生まれ変わった。

コミックスの形で不死身の存在となった者たちには、ジャンヌ・ダルク、イエズス会の創始者イグナチウス・ロヨラ、4世紀に修道院を作った隠者の聖パコミウス、難破船・高齢者・妊婦の守護聖人パドアの聖アントニウスなどがいる。

ミズーリ州スプリングフィールドに本拠を置く米国の出版社・Arcadius Pressが今年後半、英国にこのシリーズを送り出す。ひと月あたりおよそ7ポンドの支払いで年48冊のコミックスが申込者のものになるという。どの本もお墨付きの伝統的スーパーヒーローものだ。

たとえばリマの聖ロサは、彼女の掌から出る2本の光のビームによって攻撃から身を守ることができる。聖ジャンヌ・ダルクは腿まである鎧の下にスーパーヒーロー・タイツを着ているのだ。

[from : "Holy comic books! Saints are the latest superheroes"(部分), Telegraph, 03月26日]

こっちもすごそうだなぁ。

◇関連エントリー

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[雑記]60年代の反共アメリカンコミック

私の日記阿呆LOGの方ではこのところ、米国のコンサバチブなクリスチャン漫画を紹介しておりました。ロックはサタンの音楽!ゲイはなおる!進化論はレイシストのコンセプト!…などなど

| プチソ連 | 2006/04/25 00:56 |

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